● 鈴木大介ギターエッセイ パート6
昨年暮れについにマックユーザーとなった(メディア・カームとしてはとってもウレシイ)鈴木大介さんの新春エッセイ・パート6です。
みなさん、新年あけましておめでとうございます。
僕も昨年はめでたくiMacなど購入いたしまして、なんどもぶっ壊してリストアするたびにメールアドレスをなくすなどの紆余曲折を経ながら、ようやくクラリスが使えるようになったのでありました。何といっても暮れの一番忙しい時期に、やけくそで買ったもんだから、強引な初心者運転にiMacちゃんフリーズしまくりで、その度にたたきゃなおるだろ式のその場凌ぎで年末までやってきてしまいましたから、年明けは1から、いやゼロからやりなおしなわけです。
ゼロ出発といえば2000年問題、なにもおこりませんでしたね。僕はいつテポドンが落ちてくるのかと、ひやひやものでブイヤベースを作っていたわけですが、そのスープで作ったパエリャがあんまりうまいので、どうでもよくなってしまいました。この、新年にあたってブイヤベースを作るというのには、僕の今年の抱負というか、目標がこめられています。
どのようにして作ったかというと、まず鯛の頭とか、魚のあらを湯がいてそこからだしをとります。ぐつぐつだしがとれたら、本来はそのままがりがりつぶすと良いのですがつぶし器がないため、だしのなかで魚の頭とか骨とかをがしがし砕いてそれを漉します。漉されたスープを、今年は卓上コンロにのせて鍋物風にしてみました。まず最初は鯛とたらの切り身、それからアスパラガスなどをいれてことことやります。スープ自体に味付けをせず、今回はガーリックととうがらしのきいたトマトソースを別に用意して、各自つけだれとして使用します。で具をだいたい食べ終えたら、煮崩れた具を拾い出して第二陣の具をいれます。このようにして、海老やイカ、はまぐりやあさりなど、ぜいたくにもふんだんな具を、煮ては喰い、煮ては喰いしたのちに、このスープだけを濾過してたまねぎのみじんぎりといためたなま米を適量いれて鍋にふたをします。ぷすぷすいいだしたらパエリャはできあがっていますので、仲良く食べましょう。こつは、鍋をやっている間にスープがなくなりすぎないように適量の野菜を入れながら煮ること。どうしても水分を足したい時は白ワインにすること等などです。スパイスは胡椒、ローレル、サフランを始めお好みでいろいろ入れますが、スープや具に下味をつけると、鍋をしてる間に辛くなってしまうので、やめましょう。まちがってもだしの素や化学調味料なんてつかわないように。僕の今年の抱負、わかっていただけましたか?
それから今年は民族音楽、はまろうと思ってます。聴く方ですけど。去年の暮れぐらいから、何となくはまりだしてるんですけど、きっかけは、夏くらいにアルフォンソ10世のサンタ・マリアのカンティガを弾こうかなって思った時、今流行りのスパニッシュ・ケルト音楽みたいなのを聴きはじめたりとか、知り合いのチェコ人のシャンソン伴奏してる内に民謡もやろうかってことになって、東欧のいろんな地域の民謡聴き出したりとか、そう言うふうにしていたら自然と地球はひろいぜってことになるわけですね。そしたらNHKに、世界民族音楽大全集みたいなCDがいっぱいあって、ブラジルのアマゾンの奥地の、秘境といわれるジャングルにお住まいのみなさんとかの、儀式の実況録音とか聴いてしまうわけですね。
ま、ジャズにしてもタンゴにしても、民族音楽といえば言えなくもないわけで、そういったものを地域性を超えた距離感のなかで享受する現代社会っていうのは、やっぱり22世紀にもなるとどこでもドアくらいできてんでしょうね。
さてさて、新年だっていうのにいきなりこれだけ話がとりとめないと、今年も分裂症はなおらなそうです。とりあえず、2月2日に板橋区立文化会館で吉松さんの「天馬効果」またやります!!!みなさん見にきて下さいねー。
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7月17日 更新
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